君の隣で
愛。
あの日以来、私は久野に話しかけなかった。
話しかけてくることも、なかった。
元に戻っただけ。
それだけのことなんだ。
でも……
「それだけのことなのに、苦しいの…」
「え?つららちゃん、なんか言った?」
「あ、ごめんごめん。なんも言ってないよ」
私は、つくり笑顔で誤魔化した。
しかし、ある日。
お弁当を持って、1人で屋上へ行った。
今日は、あの日のように雨が降りそうで、誰もいないと思ったから。
…1人になりたかった。