君の隣で
みんながいなくなった頃、教室に二人きりというのを自覚した。
顔が熱い。
大丈夫、大丈夫。
落ち着くんだ私。
顔が熱いのは、夕日に照らされているから。
緊張なんて、してない。
「あのさ…」
ビックッ。
急にかけられた言葉に、おもわずすごい反応をとってしまう。
「そんなビクんなよ…」
久野は、やれやれ、と言うように、眉をあげた。
「で、本題。お前、俺のこと避けてね?」
「…さ、避けてないよぉ~?」
私は目線を上に向けた。
「なぜ目をそらした。そしてなぜ噛んだ。やっぱりお前、避けてるだろ」
この人鋭すぎ。