Love Water―大人の味―




そう思いながらエレベーターに乗ると、後ろから「乗りまーすっ」という元気な声が聞こえた。



「おはよ、雨衣!」



エレベーターに乗り込むなり笑顔を見せた梨華。



「おはよ……」



朝から元気だな……と思いながら梨華に返すと、彼女は眉を寄せた。



「なんか雨衣、暗いよ。死神みたいな顔してる」



「ははは」



どんな顔してんのよ、なんて返す気にもなれず、渇いた笑顔でごまかす。



梨華に指摘されるなんて、もろ私情持ち込んでるじゃない!



努めて明るくしようとしたら、梨華が哀れむように言ってきた。



「まぁ、まだ別れて1週間経ってないしね。

分かるよ、つらいの」



「えっと………」



確かに彼と別れたことも原因のひとつでもあるのだけれど、まさか桐生部長が原因なんです、とは言えない。



そして、何も言わないあたしがまだ別れを悲しんでいるのかと勘違いしたのか、梨華は突然度胆をぬくことを言ってきた。



「そんな雨衣のためにさ、水曜日にコンパやってあげるから!」



「こ、コンパ!?」




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