Love Water―大人の味―
come out―恋、始まる―




―――――――――……
―――――――……



あれからなんとか桐生部長に土曜日の食事はなかったことにしてもらおうとしたが、なにしろ相手はあの桐生部長だ。



あたしが何か言おうとするたびに、仕事を押し付けられるわ。



マンションではあっさり交わされてしまうで、なかなか聞いてもらえない。



土曜日まであと3日。



どうにかしなければ。



「はぁ……」



「ちょっと雨衣、ため息つくと幸せが逃げていくのよ」



ランチが終わってデスクに戻ってすぐ大きなため息をついたあたしに、梨華が眉を寄せていう。



「最近多くない、ため息」



「いろいろね……」



苦笑いで応える。



彼女はキーボードをたたきながら「ふーん」と頷くが、突然、イスをくるりと90度回転させた。




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