危険な君の甘いお仕置き


「…なに見てんだよ。」

「み、見てないし!」

見てること気づかれた。

「おい、お前か?楓先輩の指テーピングしたの。」

バカにしたように笑いながら言う悠紀。

「っ…そうですよ!あたしがやったけど!?なんか文句ある!?」


こいつの一言一言がいちいちムカつく。

ついつい怒鳴ってしまう。
「まぁまぁ怒んなよ。俺の指で練習してみろよ」


「なんでよ!」

「俺がやってもいいっていってんだから素直にやれ!」


悠紀はそういってあたしが手に持っていた救急箱奪い取ってあたしにテーピングとハサミを持たせた。


「まずお前指にやるテーピングの太さがちげーんだよ。これ足用だっつの。太いのが足用、細いのが指とか細かいところに使うんだよ。やってみろ。」


……。

コイツのいうことにしたら当たってるじゃん。

ムカつくやつだけど。

言うことは当たってるんだよね。

あたしはゆっくりだけれど悠紀の指にテーピングを巻いていった。


「…まぁさっきよりはいいんじゃねーか?」

上手いとは言えないけど。

「よく頑張ったな。」

ドキーーン。

悠紀が!?

あの悠紀が笑っただとー!?

不覚にもドキッとしたじゃんか。


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