夢の時間
猿藤が出て行ったのを確認してから再び顔をそむけると、腕に冷たいアルコール綿が当たり次の瞬間辰巳の声と共に痛みが走った

「チクッとするな」

針が刺された感覚・・・抜かれるまで時間がかかるだろう・・・

「朝より上がりはいいかな・・・気分悪くないか?」
「だいじょうぶ」

「手、グーパーできたら少ししてみろ。上がりがよくなるから」
「・・・」

ゴムバンドされてるから手先が冷たく感じる。陰圧トレーニングでもしているみたいだ。。。

「OK。十分あがった。楽にして」

その言葉に安心して目を閉じていると針が抜かれ脱脂綿を抑えながら辰巳が言った。

「大丈夫か?少し顔色悪いけど・・・」
「なんとか・・・」

片づけをしながら顔を伺っては声をかけてくる辰巳
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