夢の時間
笑いながら缶を持つ猿藤の手から起き上がって受け取ろうと身体を起こそうとした
が、辰巳の鋭い目と言葉が制した

「まだ起きるな。止血してからだ」
「もぉ大丈夫だよ」

「言うこと聞け。」

珍しく低い声に猿藤も引いたように見えた

その言葉に仕方なく身体を布団に戻し笑顔を作って猿藤に言った

「今のがホントのお医者様 怖いでしょ・・・なぁんてね ジュース、後で飲むからテーブル置いといてください 飲まないでね」
「ハハハ・・・お医者さんも大変ですね 新井がこんな我儘だなんて・・・学校で見る彼女とは大違い」
「長く付き合ってると慣れてきますよ」

そんな会話を暫くしてドクターが去りジュースを飲み終えると顧問も練習の時間だからと言って帰った

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