夢の時間
スタートの合図とともに泳ぎ始めた

スタートを教わってない恵理子は練習の時のように壁を蹴って泳ぎ始めた

一緒に泳ぐ選手と比べると極まりなく遅い

それでも恵理子のフォームは他の誰よりも基本に忠実で真っすぐキレイ

そして見事に50メートルを泳ぎ切った

壁にタッチした恵理子を確認した後、ストップウォッチを見た猿藤は意外な顔をした

「新井、48秒」
「すごぉ~い」

先輩たちの歓声が上がった

それもそのはず

二週間前は泳ぐことすらできなかった恵理子がタッタ2週間で50メートル泳げるようになったうえに48秒

快挙だ
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