夢の時間
「どぉした?」
「結果・・・」

「あ~・・・悪くないよ」
「良かった」

「疲れは出てない?大会、今度の週末だよね」
「うん バッチリ 見に来る?」

「ん~それは無理かなぁ~」
「そっか・・・辰巳先生も忙しいよねキット・・・」

「そぉだね・・・そぉいえば婦長は行くって言ってたよ」
「じゃぁいいや 婦長が見に来てくれたらそれで十分」

「いつか見に行くね・・・」
「気長に待ってる」

「さてと・・・その前に診察しよう」
「はぁ~い・・・」

平田は真剣な目をして黙って首周りのリンパをさぐった

そして下瞼をさげ貧血をみた

聴診器を耳に当てると胸の音を確認しカルテに書きこんだ

そして向き直ると何も言わず頭に手を乗せ、昔やってくれたようにクシャとし言った

「楽しむんだよ」

この時、平田の一言が何を意味しているのか分からなかった

このまま永遠に水泳ができると思っていたから・・・

分かったのは一年後だった
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