夢の時間
目が覚めた恵理子の視界には真っ白な天井、口に被せられた酸素マスク、腕に繋がれた点滴、耳元で規則音を響かせるモニター…

夢から現実へと引き戻された

瞬きをしボヤケタ視界を正しながら現実を受け止める

視界が鮮明になった恵理子は枕元に人の気配を感じ、顔を横に向ける

発作を起こした後、目が覚めるといつもなら平田Dr.がそこにいるが、違った

そこには見知らぬ男が顔を突っ伏して寝ていた

「だれ?」

酸素マスクのせいで声は籠っていたが男の耳には届いたようだ

男は声に驚き、顔を上げるとキョロキョロ周りを見渡して言った

「ヤベッ寝てた・・・」

恵理子は発せられた言葉に返す言葉なく無言で男を見ていると、男は安堵の表情を見せ言った

「やっと目覚ましたんだな」

男はそぉ言うと恵理子の額に手を当て頷き、布団の中の手を掴むと腕時計を見た

そしてテーブルに置かれたカルテに記載すると再び恵理子を見て微笑んだ

「平田Dr.すげぇ心配してたぞ」

馴れ馴れしく恵理子のホッペを指でつつきながら男は言った

恵理子はそんな男の言動を無視して自分の疑問をぶつけた
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