夢から覚めて
「取りあえず今夜はうちで面倒みるから あんまり心配すんな」

平田は反応しなかった

心配するなと言われても、心配なのだろう

静かに弱々しい呼吸をし横たわる患者を前に平田はうな垂れていた

藤田が部屋を出ていくと平田は寝ている恵理子に向かって呟いた

”村井先生と何があった?1人で我慢するなって言ってあったよな・・・早く気づいてやれなくてゴメンな・・・辛かったろ・・・”

平田は暫く寝顔を見届けると、握っていた手を布団に戻した

恵理子は時折、頭を動かすが動くだけで起きることも目を開けることも無い、無意識だ
< 109 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop