夢から覚めて
平田に肩を抱かれて診察室に入りベッドに横になる

待合室のソファとは違って落ち着く

大きく深呼吸をする恵理子に平田は心配そうに、でも冷静に質問した

「定期健診じゃないよね?」
「・・・うん・・・」

手際よく首周りのリンパを触診し、脈を取りながら話す平田の目は医者の心配を超えていた

もちろん一昨日、藤田医院で見たこと聞いたことを知らないふりして恵理子に尋問する

「風邪?」
「・・・ごめんなさい」

目線を逸らしながら呟く恵理子の目には苦しさからか涙が溜まっていた

「ん??」
「・・・薬全部飲んじゃって・・・」
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