夢から覚めて
背を向け注射の準備をする平田にリコは呟いた

「・・・発作止め・・・打たないと・・・ダメ?」

途切れ途切れに発せられた恵理子の発作止めを拒否る言葉

平田は心を鬼にして恵理子の腕をとった

「楽になるから・・・」
「・・・」

顔を背け発作止めを嫌がる恵理子

「チクッとするよ」

平田が言い終わるのと同じタイミングで恵理子の二の腕に痛みが走った

「んっ・・・いたい・・・」

痛みに耐えるように口を一文字に閉じ眉間に皺をよせる恵理子

「痺れてない?液入れるよ」

針が刺さった時以上の痛みがジリジリと腕を襲う

シッカリ抑えられた腕は痛みのせいで力が入らなくなっていた
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