夢から覚めて
2人で土手から戻ると片付けもスッカリ終わっていた

先輩達はニヤニヤして2人を見た

半日を振り返ると何だか名残惜しいと感じるほど楽しい時間だった

小柳の解散の合図で自転車に跨って帰る先輩達

恵理子は小柳の車に乗り込んだ

「寮でいいんだよな?」
「あ~っと・・・途中でもいいですよ 歩けますし・・・」

「何だよ 寮で誰かに見られちゃマズイ男でもいるのか?」
「違いますよ コーチが遠回りになるから・・・」

「心配するな どぉせ部室に荷物置くから」

小柳はそぉいうと後部席の荷物を指差した

確かにそこには部活名の入ったブルーシートや椅子がのっていた

「片付け手伝いますね」

乗せてもらった御礼にと思って笑顔で言えば”わりぃな”なんて言ってくる小柳

ホントは土手で抱きしめられた時、村井に抱きしめられたときとは違うドキドキがして、もう少し一緒にいたいと思ったから・・・

小柳はそんな恵理子の横顔を見ながら少し男心をくすぐられていた

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