夢から覚めて
その頃、医局で1人、平田に言われた言葉を何度も考え、恵理子を想っていた村井

夕方、嫌われてでもヤッパリ恵理子の顔がみたくて寮に向かった

パラパラと行きかう寮生らしき人だかりから恵理子を探すがその姿はない

プールを覘いても誰も居ない

仕方なく寮の管理棟に行き、恵理子を呼び出してもらうが出てこず、暫くして出てきたのは見覚えのある顔

恵理子が入院中に何度か見舞いにきていた子だ

「村井先生でしたっけ?私のこと覚えてます?」
「あ~恵理子の友達の・・・」

「恵理子、出掛けてていないみたいですよ」
「そぉか・・・」

「メッセージ頼まれましょうか?」
「あ~っと・・・少し待ってみるよ」

「そぉですか じゃぁ」

去っていく友達はアポなしで来た村井を不思議そうに見ていた

村井は運転席に座りハンドルに覆いかぶさるようにしてフロントガラスから外を眺めて恵理子の帰りを待った

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