夢から覚めて
「チュッ・・・んっ・・・アッ・・・」

離れようとする手とは裏腹に気持ちが高ぶる恵理子

頭と腰に手を回され離れられない

まさかこんな姿を村井が見ているとも知らずに恵理子は小柳のキスに飲み込まれる

「ハァッ・・・アッ・・・ンッ・・・」

興奮と心臓の騒がしさに恵理子が空気を求めるように口を開ければ、小柳の舌が恵理子の口の中をまさぐる

恵理子は呼吸をするだけで必死

虚ろになっていく目が、余計に小柳を誘っているとも知らずに・・・

暫くして力の抜けた恵理子から口を離した小柳は、震える恵理子を抱きしめ理性を抑える

その腕の中で、まだ整いきらない呼吸の恵理子は小柳の胸を押し助手席の窓際に体を逃がす

「なんでこんなこと・・・」

苦しさで潤む恵理子の涙に、小柳は堪えようとしていた理性が飛びそうになる

「遊園地は初めてでも、キスは初めてじゃないんだな」
「なっ・・・」

「これ以上ここにいると襲うぞ 早く帰れ」
「・・・」

恵理子を突き放すつもりで冷たく放たれた言葉に、恵理子は絶句し無言のまま車を降り一目散に寮に入った
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