秘密の同居《番外編》


「そして、教師は君達の、運命の人になりたいと願っています。
影響を与え、導き、いつでも思い出せる存在でありたい。
…僕はあまり皆の前で何かを演説したりするような人間ではない。
だから、こういう機会がないと思ってる事を素直に言えない。
……君達はただの生徒なんかじゃない。
1人の人間だ。
運命の人に出会い、自分も誰かの運命の人になっていってください。」


泣きそうになった。
怜がそんな事を思っていたなんて知らなかった。
生徒達も、シン…と怜を見つめたまま真剣に何かを考えているような表情だった。

集会は終わり、体育館を後にする本田君があたしに一切目を向けなかった事に悲しくなる。

その日は保健室に女子が殺到した。

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