秘密の同居《番外編》


「高橋先生って夏木先生と高校から付き合ってたの?」

「夏木先生って家だとどんな感じなの?」

夏木先生って…………×10

もう!
怜もてすぎー!!



やっと落ち着き、放課後になったので職員室へ戻ろうとした時、夕暮れのオレンジの光に影が落ちる。


顔を上げると、腕を組んでドアに体重をかけてこちらを見ている本田君がいた。


「………わ。
もう口聞いてくれないかと思ったよ。」

「………もう話したくないって思った。
だけどやっぱり聞いておきたかったから。」

少しの沈黙。

「…夏木の結婚相手ってあんただったんだな。
俺アホみてーだわ。」

「ごめん、口止めされてて…。
一緒に働くのがずっと夢で…」

「うん。
……まぁ、悔しいけど夏木なら納得。
勝てないわ。」


何を言えばいいか分からず苦い顔でいると、ははっと笑われた。

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