秘密の同居《番外編》
「……ちゃんと、好きだったよ。
教師とか関係なく高橋愛美っていう人間に惹かれた。
夏木が羨ましい。
でも、もう諦める。
…ありがとう。」
また真剣な表情で微笑みながら言った本田君が、出会った頃よりも遥かに大人びたと思った。
「こちらこそ、ありがとう。
こんな新米を励ましてくれて助けてくれたのは本田君だけだよ。
これからも何かあったら相談乗るから。」
本当にこれまでの関係と終止符を打つのが感じ取れ、とても穏やかな気持ちだった。
「じゃあ。」
扉を開けて出て行く本田君が、巣立って行くようで少し切なくなる。