秘密の同居《番外編》


「よぉ。」

校門で嫌な奴に会った。
夏木怜。

背も高く、顔も良く、頭の回転も早く、大人な男。
俺は一生こんな完璧な人間にもう会わないと思う。

「…話しかけんなよな。
朝から気分わりー。」

ふいっと横を早足で過ぎて行こうとすると、カバンを掴まれ、後ろに重心が行く。

「なんだよ!」

「…可愛い子だな。」

は?
と言い返そうとしたが、さっきのを見られてたんだと気づく。

「……………っ」

「大事にしろよ。」

「別に俺の女じゃねーよ!」

照れ隠しに睨み付けると、へぇ。と含み笑いをした。

こいつ、本当に腹立つ


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