秘密の同居《番外編》


………………。


「…付き合ってもいいかなって思った。
可愛く見えてきて、気持ちに嘘がないって思えたから。
だけど、俺が付き合いたいのか聞かれると正直分からない。」

廊下の隅に座る。
高橋も隣に並んだ。

「…そう。
それならまだ付き合うべきじゃないね。
好きって言える様になったらでもまだ遅くはないと思う。」

柔らかく笑う高橋。


そうだな、と返事をして保健室を一瞬見た。
なんとなくあそこにいる気がした。

「…いる?あいつ。」

高橋はコクン、と頷いた。

立ち上がってゆっくり保健室の扉を開けた。

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