秘密の同居《番外編》


そんなお母さんに、あたしも本田君の腕を掴んで近づく。

「あの、お母様!
あたしが彼を変えただなんて、そんな風には思っていません!
何故なら本田くん…亮くんは、とても素直に人の話しを聞いてくれる子だったからです。
校長の事もお母様の事もきっと好きで、ちゃんと尊敬出来る子です。
これからはもっと、沢山学校でのお話し聞いてあげてください。」


悔しいやら恥ずかしいやらなんとも言えない顔に頭を下げると、早足で帰って行った。

その後の体育館の雰囲気は最悪だった。
ざわつく館内、痛い視線。

"えってか、夏木先生とまなちゃん結婚してんの!?"

"はぁ!?
あり得ないんだけど!"

「静かに。
…集会を始めます。」

校長の声に空気が変わり、落ち着かないまま集会が終わるのを待った。

俯いて泣いている子や、睨む子。
やっぱり秘密になんてするべきじゃなかったのかもと後悔する。




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