黒アゲハ Ⅱ -真実- 【完】


窓側の席に座ったあたし達は無言だった。

こんなに会話のない親子はいないだろう……


先に沈黙を破ったのはお母さん。

「急にこんなところ、連れてきてごめんね……」

「……………」

「……ちゃんと説明するわ」


……え?


「あなたのお父さん、結駆と出会ったのは、ちょうど仕事帰りの時だったわ……」


お母さんは遠い日を思い出すように……窓の外を見つめていた──…


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