黒アゲハ Ⅱ -真実- 【完】
「──黒アゲハ…」
男はあたしのタトゥーを見てそう呟いた。
「……は?」
「おまえが黒アゲハか……」
「……………」
「……そんな死んだ目ぇしてんなんて、期待外れだ」
男はそう捨て台詞を言い、フラフラと立ち上がった。
“…そんな死んだ目ぇしてんなんて、期待外れだ”
あたしの頭の中はこれがぐるぐる。
タバコに火をつけ、少しでもイラつきを減らそうとする。
なによ……期待外れって
そして、またあたしの意識はなくなった──…