黒アゲハ Ⅱ -真実- 【完】
* 嫉妬
─ガチャッ
あたしは屋上のドアを開けた。
「おー結奈じゃん」
「あ〜裕也も新学期そうそうサボり?」
「そうそう。こいつもな」
裕也が指差した先には、ぐっすりと寝ている健。
「裕也と健って…仲いいよね!いっつも一緒だし」
「中学一緒だったしな。そん時にこいつが『先パイより俺の方が強いっすよ』て言われて喧嘩したのが絡み始めたきっかけかな」
「へ〜結果は?」
「引き分け。半年くらいしか一緒に行動したりしなかったけど…この高校来て龍神に入ったら、こいつも追っかけて来たんだよ」
裕也は健を見つめながらにっこり笑った。
「結奈はどうなんだよ?転入してきたし」
「…いつか…話すときがきたら、ちゃんと説明する──」
「お、そうか」
そう。いつか、いつか話さなきゃならないんだ。
純や京香だけじゃなくて、
みんなにも──…