黒アゲハ Ⅱ -真実- 【完】


「夜……玲奈は結奈の家の前にいたの。そしたらね、結奈が出てきたの。そこに載ってる写真の姿で……」


玲奈は証拠に結奈が家から出てくる写真を見せた。


「玲奈、家の前にいたからバレるんじゃないか……ってハラハラしてたら……
結奈……玲奈の前通り過ぎたの……」


今にも泣きそうな顔で玲奈は話し続けた。


「通り過ぎた時の目……ほんとに死んでた……。だから玲奈にも気付かなかったんだと思う……。
結奈の跡を追ってたら、売られた喧嘩はすぐ買うし、相手がぼこぼこになって失神するまで殴り続けたり……
結奈じゃなくなってた──…」

「……そんな…」


裕也は信じられなそうに言葉を漏らした。


「玲奈だって何度も何度も見間違いじゃないか、って確認した!!
でも……何度も見ても結奈なの……。
あの服だって、一緒に買った。
ピアスだっておんなじのしてるとこ見た。
タトゥーだって……おんなじ……。
結奈じゃない、って否定できるところが1つもないの!!」


玲奈の悲鳴とも言える声が屋上に響いた。


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