黒アゲハ Ⅱ -真実- 【完】
「もう玲奈……我慢できなくって、結奈に近づいて“結奈、お願いだから目……覚まして?”って結奈の肩揺さ振った。
そしたら……なんて言ったと思う?」
玲奈の次の言葉を待ち構えるように、5人は俯いていた顔をあげた。
「──アンタ誰? 結奈って誰?人間違いじゃね?アタシは結奈じゃない──だって……」
玲奈の言葉に、5人は目を見開き驚いていた。
玲奈は泣き崩れ、純はみなから離れて柵に寄りかかりながらタバコを吸い、流星はパソコンの写真を見つめ、裕也は目に腕を乗せて寝転び、健はぼーっと空を眺め、拓磨は玲奈の背中を擦っていた。
「なぁ……結奈、苦しんでんじゃねぇのかな……」
健の一言に、みんなの視線が向けられる。
「目が死ぬまで……苦しんでんじゃねぇのかな……。
結奈になにがあったのかは知んねぇけどさ……あそこまでなるなんて、なんか結奈を苦しめてる“なにか”があるんじゃねぇかな……」