苦い舌と甘い指先
それは分かってるが、原因が何なのかが分からないうちは何も出来ないし。
ああもう、イライラする。
「ジューノーちゃんっ」
「……あ?」
声をかけられ、机に突っ伏していた顔を上げると そこには朝話しかけられた夏輝という子が立っていた。
「帰らないの?」
「あ…え?」
何を言ってんだ、と思って時計を見ると、もう短針が4時を指していて。
「………すげぇな、おい」
今日一日中座ったまま物を考えていたと言う事か。つくづく単細胞だな、おい。
「なんかぁー。ジュノちゃんずっと寝てたから、皆寝かせてやろうって言って、移動教室の時もそのままだったんだよねー。
先生も何も言わなかったしっ!良かったね、ジュノちゃん」
「……それは、どうも」
別にそこまで詳しく教えてくれなくても。
そう思ったけど、ニコニコと笑顔を保ったその顔を見てたら、何か感づいた。急に。
「……もしかして、あたしに話とかあんの?」
「うわぁ!凄い~!!良く分かったねぇ!!
ちょっと…ここじゃあ言いにくい事なんだけど……。ついて来てくれるかなぁ?」
「………いいけど。先に便所だけ行かして」
「う…うん」
鞄はそのままに、途中便所にだけ寄って 着いた先は屋上だった。