苦い舌と甘い指先
あんなにも優しかったえーちゃんを、山姥に変えてしまう物ならば
あたしは絶対にしない。
そんなものに振り回されてしまいたくない。
そう心に決めたんだ。
だけど…
今のあたしは、あの時の決心を忘れてしまったのだろうか。
ちょっとずつ大人になって、あの恐怖が薄れてしまったからだろうか。
だから
今、恋をしているのだろうか……?
分からないけど
じわじわと焼ける様に疼く胸の辺りを抑えつけながら
「…やっぱり恋なんて、しなきゃよかった………」
あの時と同じ様なか細い声で
今のあたしは後悔していた。
恋なんて
愛なんて。
大っ嫌いだ----------。