苦い舌と甘い指先
カフェオレ
「ジュノ、ガッコ行こうぜ」
「……おー」
あれから3日後、ミツとあたしは仲直りを果たした。
周りから修復不可能とまで噂されたあたし達の喧嘩だったが、
あたしが弁当食ってる時にミツがジュースを差し出した事がきっかけで、なんとなく、だけど仲直りする事が出来た。
謝ってもねぇし、謝られてもねぇけど
今更そんな事を指摘するのもどうかと思ったし、
そんな会話をすることすら煩わしく思えた。
だって。夏輝が肥後に抱きついた時の事が頭から離れないんだ。
肥後は困惑した様子で夏輝を押しのけようとしてたけど
あたしがそれを許さなかった。
夏輝にあんな事を言ってしまった手前、
今更、肥後の事が好きなので諦めて離れて下さい
なんて言える筈も無く。
引き攣った笑みで『お似合いだな、二人!付き合っちまえよ!』と強がる事しかできなかった。
夏輝は照れた様子で笑っていたが、肥後は一瞬目を丸くした後、あたしを冷たい目で睨みつけて来た。
そして
『いいの?俺、ホントに付き合っちゃうよ』
なんて、あたしが肥後を好きだという事を前提に脅しをかけて来る。
良いワケ、ないじゃんか。
でもさ。あたし、夏樹に言っちまったんだってば。お前の事何とも思って無いって。
お前とは無関係だって……。