苦い舌と甘い指先
期末考査
…寒い。身体中にカイロを貼りまくって、コートとマフラーを着こんで
おまけにジャージをスカートの下に履いて
「行って来まーす」
家を出…
「ちょっと待て廃れた女子高生」
「ぐふぉぇっ!!」
マフラーが首に…っ!!
「何すんだよ!」
咳き込みながら後ろを向くと、煙草を口に加えたまま、呆れた表情であたしのマフラーを引くかーちゃんがいた。
「アンタ、そんな恰好で外歩く気?は?
パジャマ+眉なしノーメイクでコンビニ行った場面を、好きな男に見られる位恥ずかしいんですけど?」
「あたしは休日のOLか!」
「は?何言ってんの?」
突っ込みがおいつかねぇー!!
「別に良いだろ!誰が見るわけでもねぇし!外は寒いんだよ!!」
「近所のババァ共の井戸端会議のネタになりてェのかお前は。
ジャージもそうだけどよ、お前のその頭は何だ!
台風の後の鳥の巣をイメージしてんのか?」
「ちげーよ!うっせぇな!!!」
髪型が酷い位自覚してんだよ!!
「良いんだよ、別に!期末考査の勉強で直す時間もねぇし!
早く行ってガッコで勉強すんだから離せよ!」
そう叫ぶと、かぁちゃんの口からタバコがボロりと落ちて廊下に転がった。