愛恋―あいれん―


「頑張った。


いちは、お疲れ様。


笑えよ、そしたらいつか


笑い話になる日がくるから。


その時は、


何回も愚痴


聞いたように


何回も笑い話


聞いてやるから。」




心がキュッてなった。


私の頭を


優しく撫でた


侑吏の大きな手。


唇を噛み締めて


涙をこらえて見上げた


侑吏の顔は


いつもの仏頂面とは違う


暖かい笑顔だった。
< 22 / 43 >

この作品をシェア

pagetop