愛恋―あいれん―
強がりな弱虫
私の質問で
部屋に沈黙が流れる。
しばらく間を置いて
侑吏が口を開いた。
「別に。
言うほど大した事じゃ
ないと思ったし、
いちはには関係ない事だろ。」
あぁ、なんだ、よかった。
いつもの侑吏だ。
一瞬なんか
哀しそうにみえたけど
気のせいだよね、うん。
「え~、でも
聞きたかったなぁ~。
なんで別れちゃったのか。
結構可愛い子だったし、
侑吏、告白されたのって
初めてだったんでしょ?
1年…かぁ。
私、てっきり
ラブラブかと思って
侑吏の部屋に行くの
だいぶ我慢したのにな~、もぅ。
でも侑吏、辛くなかった?
ごめんね、親友なのに
何にも気づいて
あげられなくて…ははっ。」
気まずくなった空気を
かき混ぜて誤魔化そうと
一人でぺらぺら話してみた。