愛恋―あいれん―
「ご…めん、侑吏。
なんか…やっぱ、
まだ、ダメみたぃ。
…聞いて…?…」
不安一杯の顔で
侑吏を見たら
侑吏はいつもみたいに
私の頭を撫でた。
言葉なんて
かけてくれないけど
長い付き合いだもん。
これは、
“話せば?”って
合図なんだ。
「ど…どっから、はな…ッッ」
私はいつだってダメな奴。
話聞いて欲しいのに
いざとなったら
言葉が詰まるし。
平気だ、平気だって
口ではいいながら
大丈夫って心に言い聞かせて
自分が騙せなくなったら
侑吏に泣きつく始末。
だから、もう侑吏の前で
強がるのは辞めた。
最初から全部はなす。
今までのこと。