kiss me PRINCE!!
乙女心とハミガキ粉
あーあ。
今年も無理かな。
ベッドに寝そべりながら思う。
今までさんざんなバレンタインを過ごしてきたあたしだけど、今年はきっと過去最悪。
だって。
嫉妬、なんて。
そんな汚い感情をもってたら、とてもじゃないけど清い告白なんてできない。
泣きそうになりながらそんなことを考えてたあたしは、階段を上がってくる足音に気がついた。
やばい。
この音は。
身構える間もなく、ドアが開かれた。
ノックもなしに。
「さーよ」
よく日に焼けてるけど、美麗で整った顔のやたらデカい男が入ってきた。