kiss me PRINCE!!
そしてそれから十日もしないうちにまた会うなんて、想像はしてなかったが。
「はじめまして、高橋亜美です」
彼女は転校生。
見たことがなかったのも当たり前だ。
あの日の氷のような瞳を封印して、造作の完璧な顔に極上の微笑みを張りつけた天使。
大半の男子は見とれていたし、女子も早く話しかけたくてそわそわしていた。
俺の愛すべき単純な親友は、その笑顔にやられて一瞬で落とされていたが。
騙されない、俺だけは。
恋愛感情は湧かない。
心の中を隠して道化を演じる俺と、地上の世界に馴染むためにその翅を隠している彼女。
俺たちは、似ているから。