kiss me PRINCE!!

「さーよー」

「今度はなによ」


ドキドキしてても、あたしの返事はいつもどおり可愛くない。


亜美だったらきっとにっこり笑って、なあに? って言うんだろうな。

しかも部屋着だってこんな色気のかけらもないスウェットじゃなくて、パステルカラーのルームウェアなんだろうな。

ふわふわで肌触りがいいやつ。


ダメだ、またへこんできた。



「なんか音楽かけて」


ヒロの目は漫画に釘付けだ。

あたしの枕にも興味がなくなったみたい。

ちらりともこっちを見ない。


「面倒なんだけど」


そう言いながらも、あたしはラックを漁った。

適当に洋楽のCDを引っ張り出してコンポにセットする。

しっとりしたバラードが流れ出して部屋に満ちていく。

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