kiss me PRINCE!!

すると、何のために音楽をかけたのかわからないくらい、ヒロがペラペラとしゃべりだした。


今日も須賀はヘタレてただのなんだのって、あーだこーだ。

今日も亜美は可憐だっただのなんだのって、あーだこーだ。

わかってるってば。


須賀のことは置いといても、亜美が可憐だとかそんなことを、どうしてあたしに言うの?

今さらあたしに清純キャラになれとでも言ってるわけ?


無理無理無理無理、ぜったい無理!

自分がおしとやかに微笑む姿を想像して、鳥肌が立った。

似合わないにも程がある。

そうやって自分で思うのは悲しいけど。



「亜美ちゃんはさ、あれで作ってないとこが最高!」


立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花、だって。

バカみたい。


だいたいシャクヤクなんて花、見たことあるのかって話よね。

ちなみにあたしはもちろん、見たことがない。


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