kiss me PRINCE!!
赤裸々インタビュー
「相談があるんだけど、今日の放課後、暇?」
あたしは何気ない風を装って、亜美に誘いをかけた。
「今日は部活ないから、大丈夫だよ」
綺麗な黒髪を揺らして亜美は頷いた。
よし、とあたしは見えないところで拳を握った。
放課後、学校から15分くらいのところにあるカフェ。
あたしたちの家とは反対方向だけど、それは仕方ない。
だってこの田舎にあるこういう店はここだけだから。
ファーストフード店も近くにはない。
東京だったら道を歩けばコンビニがあって、ファミレスがあって、遊ぶところもたくさんあるんだろう。
こんな田舎育ちのあたしとは違う世界で亜美は育ったんだ。
ここの方があたたかくて好きだと亜美は言うけど、便利さじゃ前に住んでいたところの方が圧倒的に上だろう。
急に、自分がここで生まれ育ったことが恥ずかしくなる。
見下されてるんじゃないかなって。
そんなことを考える自分が、バカでしょうがないと思った。