kiss me PRINCE!!
メニューを決めたところでちょうど、なんだかやる気がなさそうでチャラチャラした男の店員が来た。
あたしがホットココア、亜美がロイヤルミルクティー。
店員はだるそうに少々お待ち下さいませぇー、と語尾を伸ばしながら言って、足をひきずるようにして歩いていった。
バイト代もらってるんだからちゃんと働けよ、とあたしはその背中に向けて心の中で毒づいた。
ああいう男は嫌いなタイプだ。
だるそうにしてるのがカッコいいと思っていそうな。
清潔感のない服装に髪型。
その店員が腰で穿いたパンツの裾が擦り切れてるのを見て、短い脚を余計短く見せてどうするんだ、と思った。
「で、なに? 相談って」
亜美はなんだか楽しそうに笑った。
こっちは楽しくないんだけど、とは言えない。
いつの間にかカラカラになってた口を水で潤してから、あたしは口を開いた。
まわりに知り合いがいないかを入念に確認して。