kiss me PRINCE!!
「あたし、バレンタインに告白する。・・・ヒロに」
ちなみに、あたしがヒロを好きだってことは亜美にはバレてる。
自分から言ったわけじゃなくて、なぜだか知らないけど亜美が気づいてしまった。
あたしはなんだか落ち着かなくて、髪を直してみたり、カーディガンの毛玉をとってみたり、窓の外の道路を走る車を目で追ってみたりした。
亜美は真剣な顔で、あたしを真っ直ぐ見つめていた。
「それで、亜美に協力してほしいっていうか、あたしをプロデュースして欲しい、みたいな・・・」
支離滅裂なあたしの言葉に耳を傾ける亜美。
そして亜美がなにかを言いかけたところで、あの店員がトレイに飲み物をのせてやってきたから、話は一時中断。
亜美はこんなやる気のないやつにも、小さくお礼なんか言っちゃってるし。
はい、そこのチャラ男、鼻の下伸ばさない。
今さら取り繕ったって無理だから。
さっきのやる気のない態度、しっかり見てたから。