kiss me PRINCE!!
まあ、そうね、あれね。
この優しさがあたしたちの差ってわけね。
さっきから心の中で店員の見た目をバカにしてるあたしと、そんな店員にも笑顔を向ける亜美の差。
半分は優しさでできてるとかいう嘘くさいキャッチコピーも、亜美なら納得できる。
じゃあ、あとの半分はなんなんだって話だけど。
なんだかあたしはやさぐれて、カッコつけてココアをごくりと飲み・・・・たかったけど、熱そうだからやめた。
あたし、猫舌だから。
どこまでもカッコつかない可哀想な女だ、あたしは。
ため息の混じったココアは、ちょっと苦そうに見えた。
「それで、さっきのことだけど、どういうこと?」
亜美が話を蒸し返した。
蒸し返したっていうか、それが本題だからいいんだけど。
唇を焼かれそうなココアに口をつける振りをして脚を組みかえてから、あたしは口を開いた。