kiss me PRINCE!!

「はい、じゃあ続き」

「夜ごはんを食べて、テレビ観たり予習したり」

「なに観るの?」


予習については触れないでおく。

まあ、うちの学校はかなりの進学校だから、予習しなきゃ授業についていけないんだけど。

あたしはしてるのかって、そんな野暮なこと訊かないでほしい。

ノーコメントよ、ノーコメント。


亜美のテレビ事情は、思ったよりもすごく普通だった。

なんか現実離れしてるけど、亜美もただの人なんだと思った。

ただの人って、言い方は良くないけどそういう意味じゃない。

あたしと同じ世界に住んでる証拠だから、むしろ嬉しくなる。


「あとはお風呂に入ったり、パソコンやったりして、寝るのはだいたい0時過ぎくらい。予習が多い日はもっと遅くなっちゃうけど」


なんて勤勉なんだろう。

予習のために睡眠時間を削るなんて。

見習わなきゃ・・・とも、別に思わないけど。


あたしはあたし、亜美は亜美。

なんてね、こんなどうでもいいことだったら、あたしはあたしだからって割り切れるのにね。

どうして肝心なところで、羨むどころか嫉妬しちゃうんだろう。


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