kiss me PRINCE!!
それからたっぷり20秒は腕を組んで考えをまとめ、
あたしは厳かに大きなため息をついた。
「わかった」
わかった。
あたしは亜美にはなれない。
根本から、ちがうんだ。
そしてこのインタビューはまったく役に立たなかった。
吹っ切れたような感じがしたけど、心は氷河期のまま。
ヒロのタイプになりたいっていう希望が、叶わないってわかったから。
今度こそ完全にやさぐれたあたしは、カップの底に残ってた冷めたココアを飲みほして、ほとんど無意識に言った。
「亜美みたいに、女の子らしくなりたい・・・・」
それからあたしは、机に突っ伏した。
自己嫌悪の渦に巻き込まれたみたいだ。
もう抜けられない。
蟻地獄みたい。
底なし沼でもいいけど。