kiss me PRINCE!!
なんとなくだけど、亜美にこういう世俗的なモノは似合わない気がする。
だけど、それと同時に安心もする。
亜美が、ちゃんとここにいるんだって証みたいで。
目を離すと消えちゃいそうなくらい、その存在が儚いと感じることがあるから。
たまに、思いつめたように瞳が揺れることがある。
伏せた瞼に覆われているのは、どんな想いなのか。
訊いてみたくなる。
だけどあたしにはまだ、その覚悟はない。
一度だけ見た、亜美が涙を流す姿が、一瞬頭の中をよぎることがある。
いつも綺麗に微笑んでる亜美が、あれだけ痛々しく、叫びを押し殺したように泣いていた。
なにがあったのか訊いても、悲しいことがあったとしか亜美は言わなかった。
でも、たとえどんなことを打ち明けられたとしても、亜美が亜美であるなら。
あたしは亜美のそばにいるよ。
本人には絶対に言えないけど、そう思ってる。