kiss me PRINCE!!
「まあ、あの、なんていうか・・・・趣味がそれなら、そんな腹筋にもなるわね・・・・」
あたしは数分間意識を飛ばしたあと、歯切れ悪くそう言った。
だって、他になんて言えばいいのかわからなかった。
“あらそう。アンタらしくないわね”とか?
“そうだと思ってたわ”とか?
それとも恋愛の達人ぶって
“そんなんじゃオトコのハートはゲットできないわよ”とか言ってみる?
でも、結局そのどれも選べなかったのだ。
今日一日で、亜美があたしの思っていた人間像からかけ離れてるってことはよーくわかった。
知らない方が幸せだったかもしれない。
夢は夢のままの方がよかった、というか。
須賀が知ったら落ち込むかなあ、なんて考えたのは一瞬で、あいつはむしろ瞳を輝かせて、そんなところもすごいと言うだろうと思った。
単純バカって、幸せそうでうらやましい。