kiss me PRINCE!!

亜美は、あたしに自信を持たせてくれようとした。

それはわかる。

でも、あたしは余計に落ち込んでいた。


料理が得意でも、あたしはあたしのまま。

目立たない脇役のままだから。


まさかのマッスルガールでも、亜美は亜美。

可愛くて女の子らしい、そんなイメージは崩れない。



結局どこで、どうしてそんな差がつくのかって考えたら、見た目かなって、そう思っても間違いじゃないと思う。

生まれた時から幸せな未来と、素敵な王子様の存在が約束された、選ばれたお姫様。

身の丈に合った幸せしか望むことを許されない、煌びやかな舞踏会に憧れる村娘。


そんなおとぎ話の世界と違っているのは、亜美が好きなのは王子様ではなくてその従者のような男で、あたしが王子様のようなあいつに本気になっていること。

ありえないけど、亜美とヒロ、あたしと須賀だったら、どちらも釣り合っているんだろう。

失礼だけど、須賀だって村の男3くらいのポジションだから。

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