kiss me PRINCE!!
「私のことは置いておいて、女の子らしくなりたいなら、少しずつでも気をつけていけばいいんじゃないかな」
「例えば?」
「さっき沙世も言ってたじゃない。話し方とか仕草って」
それを聞いて、げんなりする。
「うえ。・・・・無理」
あたしが亜美のようなお嬢様スマイルを振りまいてたら、ヒロは恐怖に戦くだろう。
そんな笑顔ができるかどうかは別にして。
自分で想像しても、気持ち悪い。
「じゃあ、沙世はなにも変わらないよ。それでもいいの?」
「それはやだ・・・けど」
生まれてからずっとこの状態が自然なあたしだったんだから、今から矯正するのは難しい。
でもこれは個性を無くすとかじゃなく、女を磨くという分野に入るだろう。
そう考えれば、少しだけど、頑張る気も起きてくる。