kiss me PRINCE!!
今頃亜美もなにか作ってるのかな。
頭のいい亜美のことだから、本番で失敗することなんてないんだろう。
きっと明日あたしにくれるのは、亜美が一生懸命作ったおいしいブラウニー。
そこまで考えて、あたしの気持ちはさらに落ち込んだ。
それをヒロにもあげるの?
ヒロはそれを受け取って、特別だって言って美味しそうに食べるの?
あたしがあげるのは、ただの幼なじみが毎年くれる、いつもどおりの変わり映えがしないチョコレートになるのかな。
特別になりたいよ。
特別になりたかった。
どうしてヒロにとって亜美は特別なの?
亜美が転校してきたから?
じゃあ、あたしと亜美の立場が反対になれば、あたしのことを特別だって言ってくれるのかな。
バカなことを考えながら、心の中で首を振る。
そんなのは、あたしじゃないし、亜美でもない。
わかってるのに、望んでしまう。