kiss me PRINCE!!

「なんだ、本命としてあげるんじゃないの。須賀もかわいそうね、その他大勢と同じもので」


あたしがそう言うと、亜美は少し照れながらあたしを睨んだ。


「そういう意味は含んでないよ」


うっわ、殺人的。

あーあ、可愛いって得。

あたしが同じことしたら、てめぇなにガンつけてんだよって絡まれるに違いない。




「はいはい、で、亜美はなに作るの?」


亜美は“ハッピーハッピーバレンタイン! 絶対この恋(以下略)”を指差しながら言った。


「クラスの子たちと女バスにはブラウニー、男バスはクッキーにしようかなって」


クラスの分は、かぶると困るから沙世とは別のものにしたいんだけど、って。

そういや、クラスの女子みんなでお菓子交換しよって話になったんだっけ。


「大丈夫。あたしガトーショコラにするから」


何も考えてなかったけど、とりあえず思い浮かんだものを言ってみた。

ガトーショコラは何回も作ったことあるし、たぶん上手く作れるはず。

< 6 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop